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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第88章 魔王の森






私が恐れ戦いた物の正体は大木からぶら下がった蔦だったのだ


「………クソッ!!!」


内心ホッとする反面驚きが怒りへと変化する

大体何なんだあの木は………

枝から大量の蔦を垂らしている様は恰かも死体でもぶら下げている様で無駄に怖い



「蔦なら蔦らしくしっかり枝に巻き付け!!」


別に本気で怒っている訳では無いが恐怖感を和らげる為に叫び

その後も気が狂った様に怒り続けた




そして




「ぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!」



私は派手な音と共に椅子から滑り落ちている

立ち上がろうにも足腰に力が入らず涙が滲んだ

そんな私を見下ろして彼は「ふふふ」と声を出して愉快そうに笑っていて


彼がいたずらっ子のお茶目さんだという事を思い出す



彼はシャワーから上がり無音、無気配で私の背後に立つと濡れた髪を私の首筋に垂らしたのだ

恐怖心を抱いている状況で突然首に濡れた髪が触れ、更には長い黒髪を視界に入れてしまえば心臓は盛大に跳び上がり口から吐き出しそうに成った




未だへたり込み無力に彼を見上げれば彼は普段の無表情に戻っていて




「そんなに驚くと思わなかった。ごめん。」


なんて素直に謝られてしまい私はしくしくと泣いた




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