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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第88章 魔王の森







そんな私につられてか彼は食事を進めながらも私の声に静かに耳を傾けてくれた


シューベ○トの魔王


あの曲はかなり衝撃的だった

学校で習う必要があるのかと思う内容にインパクトのある音色

私はその曲との出会いに強烈な思い出がある

内容としては父が抱く息子が魔王に拐われてしまう………的な感じだった


私は彼に歌って聞かせた


あの異様な雰囲気を彼にも伝えたいと思ったのだ


精一杯の気持ちと不気味さを込めて歌った歌は謎の拍手によって終了


何故私が突然歌い出したかというと


「この歌の森とこの山がイメージそっくりなんですよ…………」


本当にそっくりなのだ

あくまで私のイメージなので人によっては全く違うと思うかもしれないが
昼間でも薄暗く夜に成った今は吸い込まれてしまいそうな黒が何処までも続いていて

邪悪な何かが潜んでいる気がしてならない





「今の変な歌とこの山が?」


「変な歌ですよね。魔王です」


「………結局何が言いたい訳?」


「この山……怖くないですか?」



彼はきっと訳も解らぬまま状況を理解しようとクリクリの瞳を向けていたのだろうが私の言葉を聞いた途端にすっと双眼を細めた



「………下らない。」



唐突に歌い出した私はさぞや奇妙だっただろう少々興味を示した彼だったが今は呆れた表情を浮かべている


しかし私にとっては全く下らない話等では無く

とにかく彼に共感してもらい、協力という名の困った時の彼頼みを発動しようとしていた

このまま夜が深く成れば私は確実にトイレも儘ならなく成ってしまう事は目に見えているのだ



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