ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第87章 馬車で行く
優雅な所作と彼の放つ独特の雰囲気が馬車内と恐ろしく似合いまるで映画のワンシーンを見ている様な錯覚をする
伏せられた睫毛が瞳に影を落とし動く喉
本当に彼の美しさは芸術的だ………なんて見惚れる私に
「何。」
彼は途端に呆れた顔を向けた
「いやぁ……絵になるなぁって……」
何………なんてきっと理由なんて見透かしているくせに聞いてくる彼は意地悪だが
素直に答えてしまった私は幸福のため息を漏らしていた
美しい彼が私の恋人だなんて贅沢過ぎる
そんな彼と馬車に乗っているのだと思えば溢れる幸せ
「………馬鹿じゃないの。」
なんて素っ気なくされたって今の私には関係無く
「イルミさん!!!!こっち向いてください!!!ふぅー!完璧です!!!……あ!今の嫌そうな顔も素敵ですよ!!!!」
荒ぶる気持ちをそのままに連写しまくる私に
彼は鬱陶しそうに髪をかき上げたのだった
「悩殺ショット頂きましたッ!!!ありがとうございます!!!………かっこいいぃぃ……!!」
「沙夜子って突然様子がおかしくなるって人に言われたりしない?」