• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第87章 馬車で行く




_________"



ガタガタと揺れる馬車


しかし然程振動は気にならず私はずっと窓の外をガン見している


私の人生初馬車は想像よりも立派で大きかった


折り畳み階段を登り扉を開けば右手に大きなキングサイズのベッドがひとつ

そして左手にはシャワールームと洗面、トイレがあり通路を抜けた先はキッチン付きのリビングルームに成っていた

丸いテーブルと椅子が用意されていてとにかく馬車と言うよりも戸建てがまるごと動いているイメージだ

木目調で統一された車内は落ち着いた重厚な雰囲気で全体的に色味が重くメルヘンとは程遠い


しかしながらレトロなガス灯や繊細な柱の彫刻は美しい物だ

華やかと言うよりも何処か風格漂う空間は私達を乗せて山を行く


早速彼を誘って馬車内を散策し終えたのだが車内には沢山の窓が付いていた

キッチンの前、リビングルームにも2つ、ベッドにも2つ、トイレやシャワールームにも窓が付いていた

そう言えば観光も人気と言っていたし何が見えるのかとじっと流れる景色を見ているのだが





………………なんと言うか…………


……………暗い………………。



鬱蒼とした森は深く晴れている筈なのに光りが届かないのだ

沸々と沸く恐怖にも似た感情は漠然と大きな森が放つ雰囲気からだろう


…………窓の外を眺めていても私に良い影響は無さそうだ



気を逸らすべくチラリと彼を盗み見る


彼は湯気を上げるコーヒーカップに口を付けた所だった



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp