ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第86章 ホームシックを吹き飛ばす話
私は壁掛け時計に祈りを捧げていた
現在進行形の今この行動だって相当イカれていると思う
だけど俯瞰で考えられるだけマシである……なんて考えながらもひたすらに祈っているのは激しい現実逃避からだった
(お願い時間戻して!!!!!神様ーっ!!!………イルミさんに見られた………もう無理…………お願いします時間を戻してくださいッ!!!)
彼にこんな不細工な顔で情緒不安定に泣き散らかし意味不明な事を口走ってしまった…………しかも長時間だ。
……………………キツイ…………。
彼も恋人がここまでの奇人だったとは夢にも思わなかっただろう…………
……………………ツライ…………。
先程とは違う涙が溢れそうだ
「沙夜子、早く来て」
脱け殻の様に時計を見上げる私の耳に愛しい彼の声が飛び込み瞬間で冷や汗が吹き出した
……………彼からの呼び出し………
何を言われるのかなんて大体想像出来る
マイナスな事に違い無い………!!
嫌に早い胸を抱えながらも声を辿って向かった先の光景に絶句した