ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第86章 ホームシックを吹き飛ばす話
…………しかし対策の方法が無い
異世界の家族に会わせてやる事は不可能だし、通話は勿論、通信手段は何も無いのだ
(何か気を紛らわせる物でもあれば………)
室内へ視線を巡らせるも備え付けの備品ばかりで良い物が見当たら無い事に柄にも無く焦っていると
「…………これが……私の母です……う"ぅっ………」
彼女はスマホ画面を自身に見せながら突然家族の紹介を始めた
見た所彼女の世界から持参したスマホらしく画面には見知った顔が映し出されていた
「母は…………料理が嫌い……です」
「……………。」
……………俺は何とコメントすれば良いのだろう
未だ涙を流しながら写メをガン見する彼女に掛ける言葉が見付からない
「…………これは………っ私の父です……」
「…………知ってる。」
「…………父は…っ………早起き……です」
「へー……。」
「……グスっ…これは………私の弟です」
「……………。」
「………弟は……………寝起きが悪いです…………」
「…………そうなんだ。」
「わ、私の気持ちを解るのは……うぅっ……"親方ーーっ!!!!」
これは駄目だと思った