• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第85章 白い景色と幸せ








私達の目の前に突然壮観な岩場が現れた

雪を被っているが真っ白という訳では無く所々ゴツゴツとした険しい岩肌が見えた

そして深い青を湛えた雄大な海の景色に歓声を上げる

穏やかとはとても言えない白波を覗かせる海面

岩肌にぶつかり荒々しい水飛沫を上げる光景は迫力満点で重い雪雲に覆われた空すらも雰囲気を際立たせていた


そして先程から気になるのは岩場を転がると言うべきか漂う白い綿の様な物


じっと凝視して見るが正体が掴めずに彼を見上げる



「イルミさん、あれ何ですか?」


「波の花だよ。」


「波の花………?」


「岩の多い海岸で冬にだけ起こる自然現象だよ。強い風が吹いていて高波が押し寄せると海面のプランクトンが寄せられて泡状に成る。」


「へぇ!!凄い!!!」


「沙夜子の世界でも日本海で見られるよ」



強く打ち付けた波から生まれた白い泡が潮風に吹かれて舞い上がる




「……なんか此所、東尋坊に似てますね!!」


シャッターの下りたお土産通りを歩いている時から思っていた事が自然と漏れた


荒々しく豪快な波や自然そのままの岩肌
そして快晴で無い寂し気な空の色までもがあの日を思わせる

あの日私は彼とはぐれて彼を探し岩場迄走った
何故だか自殺願望者と間違えられた私を追うオジサンがいて正にサスペンスドラマの様だった



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp