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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第84章 雪の日の温もり







いつの間にか変化した景色に辺りを見渡す

山並みで見た景色も爽やかで素敵だったが何の変哲も無い民家が並ぶ町並みに雪が降る光景は本格的な雪国を思わせ風情があった


私が元々住んでいた土地はあまり雪が降らないし、今まで宿泊した場所も雪景色とは無縁だったのでより一層そう感じるのかも知れない


コンコンと窓をノックする彼の姿に機敏に鍵を開きながらもワクワクと胸は弾み出していた


「イルミさん!凄い雪ですね!!!なんか私めっちゃ楽しい!」


「そう、良かったね。」


グレーのコートに雪を積もらせた彼が其れを払いながら単調に言う


彼とこの場所に居られる事

彼とこれから外出出来る事が嬉しくてニコニコと緩む頬


再び動き出した車内で私は彼に沢山の事を話した

幼い頃の雪にまつわるエピソード

お正月の雰囲気が好きだった事

何の山も落ちも無い話に彼は相槌を打ち続けてくれた



「ところで………何処行くんですか?」


「昼食。」


「お昼ご飯ですか!楽しみ~!」


「沙夜子は食いしん坊だからね。」


「イルミさんだっていっぱい食べるじゃないですか!」


「俺は普通じゃん。」



なんて会話を弾ませる内に車はだだっ広い駐車場に停車した


車から出ると山道の物とは違う冷えた風に肩が震える

流石雪の町………古都なんて比べ物にならない寒さに着ているコートで太刀打ち出来るのかと不安に成っていると


「はい、暖かくしてなよ。」


彼は後部座席から何かを取り出すと私に其れ等を手渡した


ライトグレーのお洒落なマフラーと無難に何とでも合わせやすいながら上質な手袋だった


「わぁ!ありがとうございます!!!ほんまにイルミさんは優しいですね!!めっちゃ嬉しい!!!」


不意討ちでプレゼントを貰い気持ちが一気に舞い上がる



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