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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第84章 雪の日の温もり




11月19日



私達は宿坊を出てジャポン北陸に来ていた


痛めた手首はすっかり腫れが治まり重たい物を持たなければ気にならない程度だ

まぁ、そんな事はどうでも良いのだが




「雪!!!!」


「うん。」



先日迄宿泊していた古都には無かった銀箔の景色を前に歓声を上げていた

古都に居た時には秋の終わり、冬の訪れを感じていた筈なのに1日にして一気に冬の到来だ

ジャポンは日本と同じく小さな島国だと教えてくれた彼


「地方によって気候が異なるのも同じだよ。」


なんてポツリと言った後ゆっくりと車を停車してくれた

私が馬鹿みたいにはしゃぎ辺りを見渡していたから、という事は確認せずとも感じる事で

彼の然り気無い優しさを垣間見る



「降りてみる?」


「はい!!」



横目に様子を伺う彼に笑顔で頷きながら扉を開けばキンと澄んだ空気が車内に吹き込んだ

ギュッと音を立てる雪を踏み締めれば真っ白に染まった雄大な山の景色に目を奪われる


何の変哲も無い山中で停車したのだから当然だが私達以外に人の気配は無く、季節柄なのか行き来する車も先程から見ていない


まっさらな雪の上に新しい足跡を付けて隣にやって来た彼は風に流れる髪を緩く抑えながら山を見上げた



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