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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第83章 夕焼ける道





部屋に戻って来る道中彼は私より先を歩いていた


私が部屋に入室し背中を向けたほんの一瞬で下着を履いていない事がバレたらしい………


パタンと静かに閉じた襖の控え目な音の後直ぐにカチャンと鍵が閉まる金属音が響く


それ等を後ろ手で遣って退けた彼は鋭く細めた瞳に私を捉えながら一歩を踏み出す


私はそんな彼の姿に視線を向けるだけで精一杯で季節外れの汗が背中を伝うのが解った


静かに不機嫌を宿す瞳に妖しい色香が交ざり不適な空気が漂う


「そんな格好で外に出ようと思ったの?誰に見られるのか解らないのに」


「沙夜子は迂闊だって前にも言わなかったけ。」


「着崩れたらどうするつもり?」


「まさか見られても良かった……なんて言わないよね。」




低く言葉を吐きながら一歩一歩と歩み寄る彼に後退る


声色や瞳には不機嫌さを含ませているのに浮かべられた表情は酷く妖艶で

私が距離を取ったのは、そのちぐはぐな光景に戸惑ったからだった

ドキドキと煩い心音がどちらに騒いでいるのか解らない


彼の怒りに触れてしまった事に対してなのか、それとも

男性の香りを漂わせる色香に対してなのか


「下着の色がちょっと濃かったらしくて!着物レンタルなんで後でクリーニング代が発生してしまいます。すみません!」


なんて訳も解らずに場違いな事を口走る


「そんな事はどうでも良い。」


間髪入れずに放った彼は直ぐ目前に迫り尚も後退った私の背中は壁に逃げ道を塞がれていた



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