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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第82章 負傷から






肌の透き通る様な白さ
艶やかな髪の漆黒が際立ちシンプルが故に黒目がちな瞳の印象が強く成る

冷たさすらも感じる凛とした雰囲気を纏いながらも何処か妖しく色を漂わせる彼に私の頬は簡単に染まってしまう


自分にドキドキしてもらおうという魂胆すら忘れてどぎまぎと視線を落とした私に彼はクリっと首を傾げた


「で、何する?」


サラリと肩から落ちる髪を気配だけで感じながらも頭は目まぐるしく動く


私は作戦の事ばかり考えて舞い上がり何をするという具体的な事を何も考えていなかった


「………えーっと……何も考えてませんでした………」


暫くの間を使い呟きを落とした私に、ふーん。と気の抜けた言葉が落とされる


彼の写メは撮りたいしツーショットも欲しい

となれば折角なので美しい古都の町並みで………なんて考えていた私だが


「一度部屋に戻ろう。」


なんて淡々と言われて間抜けな声を発しながら顔を上げる

しかし彼と視線が交わる事は無く彼は私の手元、正確にはビニール袋に目線を向けていた


「流石にそれ持って外出はしないでしょ?」


「………はい、ですね!ちょっと置いていきたいかも!!!」


どっと汗が溢れて声が裏返る


彼の魅力にすっかり忘れていたが私はパンツを持ったままだった

それにスマホ等の荷物も持っておらずデートに行くにしても一度部屋へ戻る必要がある

しかし私が動揺したのはそんな理由では無く

彼の両手に何も荷物が無い事から彼は下着を通常通りご着用されているという事で……

それなのに"流石に"なんて言われると中身がバレているのかと焦ってしまったのだ


「羽織無いみたいだけど寒くないの?」


「はい、今のところ」



しかし袋は透明では無いし中身は見えない

いくら人間離れした彼でも透視能力が無ければ解らない筈だ………一人納得しながらも胸を撫で下ろす


解りはしないのだから狼狽える必要は無い



部屋の隅に置いてあるリュックの傍にビニール袋を置いて立ち上がった時だった


「下着履いてないんだね。」


彼の言葉に鼓動が騒いだ


何故バレたのか………言葉には成らず恐る恐る彼を振り返れば



「肉の動きで解るよ」



彼は妖しく瞳を細めながら後ろ手で出入口の襖を閉じた所だった



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