ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第82章 負傷から
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私は手首を激しく負傷した
赤く手形を残した部分は今、馬鹿みたいに青く変色し腫れ上がっている
彼は先程からチラリチラリと視線を動かしていて普段と比べれば落ち着きが無く
即座に氷を用意して手当てをしてくれた辺りから、かなり反省しているのだろうと感じる
手首は動くので骨を負傷した訳では無いが筋が痛み眉をひそめれば
彼は酷く感情の読めない表情で此方を見ていた
「……………」
「……………。」
目と目が合うと途端に逸らされる視線
………無言ながら彼の心が理解出来る…………反省している…………
「イルミさん」
「……………」
呼び掛ければ視線だけが向けられ彼は私の動向を探る眼差しを向けた
私は別に不機嫌でも無ければ怒ってもいない
其れよりも感激や感心に似た感情を抱いていた
「イルミさんは普段凄く私の事考えてくれてるんですね!」
「………は……?」
「だってさっき寝てて咄嗟に掴んだんでしょ?別に危害を加え様とかじゃなく」
「…………うん」
「いつも私に触る時怪我しないように凄い気を付けてくれてるんですね!!」
「……………。」
「それに……私と二人で寝てる時とかほんまに気抜いてくれてるんやなぁって実感して……なんか嬉しいです!!」
嬉々として笑顔を向けた私に
「沙夜子って本当に馬鹿だよね。」
彼は溜息を吐き出しながら普段の雰囲気を纏った
私は不機嫌では無いのだとしっかり彼に伝わった事に胸を撫で下ろす
「………でも坐禅したいって言ったんイルミさんなんですから寝るのは駄目ですよ」
「……うん」