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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第82章 負傷から



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本堂は広い


食事の間、今朝お勤めをした広間とはまた違う畳の部屋で私達は坐禅体験に参加していた

枯山水の美しい石庭を望む縁側を背に並び座った私達

私達の他参加者は独り旅らしき男性が二人と小規模ながら厳粛な雰囲気だ


「坐禅とは仏教で姿勢を正して坐った状態で精神統一を行う、禅の基本的な修行法です。難しい事はありません………座して、姿勢を正し、半眼で静かにゆっくりとした呼吸で座る修行です。雑念が起こっても生ずるにまかせ、滅するにまかせて一切取り合わず、あくまでも自己を見つめるという信念で坐ります。」


なんて穏やかな声色で言うお坊さんに頷きながらもその実ぼんやりとしか意味を理解出来なかった

とりあえず静かに精神統一して自己を見直す………的な事だろうとひとり納得しながらも指示のまま靴下を脱ぎ説明のまま坐を組む


折角体験するのだから真面目に取り組むべきだ、と自分なりに自己を見直して見る事にする


(………目線は1m前に向けて……半目………)


言われた事を思い返しながら向けた視線の先


寒過ぎない様にか用意されているストーブが遠い……………


もう少し近付ける事は出来ないのだろうか?

朝のお勤めの時よりは幾分寒さを感じないがそれでも空気はひんやりしている

合わせた手の指先も冷たいし足だって布に覆われていないのだから冷える


なんて考えていると突然ブルリと背筋が震えてしまった


肩にポンっと何かが当たる感覚に身体を跳ねさせたと同時パシンッと木の板で背中を叩かれて予想以上の痛みに悲鳴を噛み殺す


「っ……………!!!」


教えられた通り叩かれた後頭を下げるが


そもそも何故私は打たれたのだろうかという疑問が沸いた



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