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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第81章 月を見上げて







「お腹すいた」


部屋に戻り最初に口を開いたのは彼だった


つい数分前に食事を済ませた人物の台詞とは思えないが静かに頷く私がいた


「足りなくない?何か味もしなかったんだけど何あれ。」


「精進料理ってあんな感じなんじゃないですか……?」


怪訝な表情を隠しもせず胡座をかいた彼は精進料理という言葉を知らないのか小さく繰り返す


「精進料理は……確かお野菜だけで食材活かして調理する……的な料理ですよ………多分」


「……………。」


「修行してる人が食べるし殺生せずに…………みたいな」


「要するに暗殺者が食べる物じゃ無いね。」



なんて真っ直ぐに言った彼に苦笑いを浮かべる


…………確かにもっともだ


ここのお寺の人達が彼を暗殺者だと知ったならひっくり返る事は間違い無いだろう…………



「何か食べに行かない?中途半端に食べたからお腹すいた。」


提案の様でいて既にコートに手を掛ける彼の姿に常識ある私が頭の中で宿の人に失礼だと訴えるが


「居酒屋とか行きたいです。パドキアに無いから大衆居酒屋的な所が恋しくて…………」


すんなりコートを羽織った瞬間、食い意地が常識を破ったのだった




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