ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第81章 月を見上げて
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18:00
私達は本堂の食事の間にて食事をしていた
お膳に並んだ繊細な料理の数々は精進料理というやつだ
一汁三膳のお料理は艶々輝く白米とオクラのおすまし、白菜のお付けものとたくあん、おから稲荷と炒りにんじんといんげん豆の白和え、なすときゅうりの味噌炒め
とシンプルな物だった
「いただきます」
「いただきます。」
見た目よりも沢山食べる彼に果たしてこの量で足りるのか………
…………そもそも私自身足りるのか不安ながら箸を口に運ぶ
(…………………薄っ…………………)
なんと素朴なのだろう
おすましをお湯に感じる
……………メイン料理は一体何なのか……………
…………いや…………素材の風味をふんだんに楽しめるシンプルで奥ゆかしい料理だ
精進料理をまともに知らない私だが淡味のお料理を楽しむ
シンと静かなお堂に正座して耳に響くはカチャカチャと箸の音ばかり
辺りを見渡せば私達の他には老夫婦が一組、独り旅らしき男性が三組程と広い空間に小ぢんまりとした人数だった
恰幅の良い男性もはたまた御老体には厳しいのではと思わせる風貌の老夫婦迄もが一様に皆正座していて
目の前の彼迄も正座とは恐れ入る
雑談をする者も居らず淡々と進む食事に皆この量で足りるのだろうか………なんて事ばかり考えていた
(………………私足りひんねんけど…………え、私だけ………?…………おかわりとか無いの…………?)