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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第80章 型破りを見守る男




__________"



彼女にクリスタルローズを与えて二日目


目覚めると隣に彼女の姿は無かった


眠る前に彼女は手製の悪臭源をアイディアが凄いだの1週間分作っただのと語ってからぐっすり眠っていた


従って彼女が再び異臭を漂わせる事は無い筈だが……………



何処を見ても彼女の姿は無くガーデニングルームを覗けば馬鹿みたいな寝癖をそのままに見慣れない眼鏡を掛けた彼女が立っていた




「…………何してるの。」



「おはようございます!クリスタルローズ達に森の音を聞かせてます!」


「は?」


「クリスタルローズは音にも敏感なんですよ!だから故郷の音を聞かせて元気付けてる所です!」


「…………。」



彼女のスマホからは何処かのサイトで手に入れたのか訳の解らない雑音が流れていた


クリスタルローズは栽培に手間は掛かるものの此れだけ数を揃えれば半分程は確実に咲く

彼女が資料を読み世話をすれば70%は特別何をしなくても咲く

逆に言えば其れ以上はプロでも至難の技なのだが………



「イルミさん!!クリスタルローズの事は私に任せてお仕事頑張ってくださいね!!」



……………彼女がここまで勇み立つとは想定外だった


恰かも大役の様にクリスタルローズの世話を背負う彼女が真剣な眼差しで胸を張るのでとりあえず頷いておく


……………その眼鏡は何なのか、という疑問は口に出さなかった。






昼食を済ませた後彼女はまた糞を運び夕飯を済ませた後に今度は歌を聞かせるとガーデニングルームへ消えた


トイレへ行く途中、扉の前を通り掛かれば


「あなたの光を見て~私は咲くのよ~♪」


自作と思われる意味不明な歌を歌う彼女の声が聞こえた


てっきり今朝の様にスマホサイトから何かを聞かせるのだとばかり思っていたので正直少し驚いたが聞かなかった事にする



彼女が部屋で歌い始めて15分


漏れ出すのは溜息ばかりで


漸く隣に戻った彼女は



「二酸化炭素も与えられるし私が歌うのが一番やと思うんです………めっちゃ凄くないですか……そこに気付いた私」



酷く馬鹿げた事を真剣に語った



「馬鹿じゃないの。」



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