ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第16章 彼女と比べる1年1ヶ月
元の世界に戻って1年1ヶ月が過ぎた
仕事を済ませて帰宅すると回線を通じて呼び出しがあった
ミスはしていない
呼び出しは滅多な事が無い限り掛かる事が無く何かあっただろうかと思考を巡らせながら歩く事15分
自宅ながら全ての部屋を把握していない
必要な部屋さえ解っていれば其れで良いし興味も無いが
見知った居間の扉を開けば両親が揃って待っていた
母親からの呼び出しだった筈だが二人揃っているという事は其れなりに大きな事をやらかしたらしい
席に付いて真っ直ぐ見据えれば父親の咳払いを合図に執事が何かを運び入れた
ドサリと重みのある山積みの何か
「………何これ」
「イルミちゃんもお年頃でしょ?そろそろ結婚しても良いんじゃないかしら!」
キンキンと煩い高い声に冊子を開けば其れはお見合い写真の山だった
「………ゾルディックの血を残すのも仕事だ。好きなのを選ぶと良い」
「……………別に結婚なんて「長男のお前が弟達に手本を見せるんだ。」
拒否の言葉は届かないままここぞとばかりに"長男"というワードを出してくる
振り返って見れば俺の人生は其ればかりだ
「………俺結婚なんてしないから。」
席を立ち踵を返せば金切り声が聞こえるが俺は貴方達の操り人形じゃ無いんだよ
部屋を抜けて自室に籠った