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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第79章 彼と私の時間






普段よりポーカーフェイスを貫く彼は私の発言に返事をしないまま気だるそうに酒を注ぐとふぅっと息を吐いた

興味は無さ気な対応だが特に面倒そうという訳でも無いので話を続ける


「肖像画の話したでしょ?二人が会えるかもしれない肖像画!……実は私あの肖像画を探しに行こうと思ってたんです」


彼の方へ身を乗り出した私に彼は細めた流し目を寄越すと


「だろうね。」


溜息交じりに呟いた彼はまるで解り切っていたとでも言いた気だ


あの悲劇を聞いて手助けしない人間等存在するだろうか

そんな人は血も涙も無い人だと思う

私は必ず肖像画を王子様に届ける気でいたし彼に協力してもらう気満々だったのだが全てはお見通しだったらしい

………まぁその必要は無かったのだが………




「…………まぁ……何故か肖像画は戻ってたんですけどね」



「ふーん。」


「あ!信じてませんね?!」


私は薄いリアクションを繰り返す彼に壁に掛かった肖像画を発見した時の情景や感動を身振り手振り伝えた

あの肖像画が何故城に戻っていたのかは解らないけど…………

長く悲しみの時を過ごした二人は必ず幸せになるべきだったのだ





「要するにですよ……………神様の御加護ですね!!!」


「……………うん………………は……?」



「だから!王子様が私に話した内容を神様も天から聞いてて、あまりにも理不尽な現実を見て、気の毒に思って………肖像画を授けたんですよ!!!」


「……神様って………馬鹿じゃないの。」


「っ……!!だって独りでに肖像画が来るわけ無いじゃないですか!」


「…………。」



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