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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第78章 動き出す時間



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静かに扉が開き私はソファーから飛び上がった


「お帰りなさい!イルミさん!!」


「ただいま」


待ちに待った彼の帰宅である

ノンフィクションの悲劇を聞いた私は正義感を燃え上がらせながら彼の帰宅を待っていた


気だるげに髪をかき上げながらコーヒーを注ぎにキッチンへ向かう背中を追う

一刻も早く彼に王子様の悲劇を伝えたかった

気が遠く成る程の年月を越えた二人が再び再会する手助けを出来るのは私達しかいない

私がもしお姫様の立場なら今も尚悲しい時間をさ迷っているなんて辛すぎる

………いや、辛いなんて言葉では片付けられない……

もしも私と彼がそうだったなら……

きっと身を何度も裂かれるより辛く、それは王子様にも言える事だ


そんな絶望の中で私達は希望の光に違い無く私はどんな手段を使ってでも彼を説得すると心に決めていた




「イルミさん!大変なんです!このホテルは「これを飲んだら直ぐに出る。荷物を纏めて。」


「待ってください!話しを聞いてください!私、ちょっとやりたい事があるんです!」


必死な声に振り返った彼は心底うんざりした顔を覗かせた


普段の私ならきっとここで言い淀むだろう


だけどそんな訳には行かなかった


「どうか私の話しを真剣に聞いてください!!!」


「先に俺の話しを聞くなら聞いてあげる。」


有無を言わさぬ声色に押し黙ると彼は溜息を付きながらソファーに腰掛けると隣に私を促した



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