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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第77章 悲しみの物語






私は貞子改め彼そっくりの王子様と対峙していた


王子様との会話からあの女性も、そして目の前の王子様もやはり人間では無い事が確認出来た


…………そう…………私は今幽霊と話している……………


冷静に考えれば意味不明な状況だが

こうもくっきり鮮明に現れられてはどうして良いか解らなかった


更には泣き震える私が落ち着く迄湖畔に咲く花の話しや他愛ない話しを穏やかに話す王子様の気遣いは素晴らしいものだった


オバケに気遣われているなんておかしな話だが

事実私は王子様の正面の椅子に腰掛けて其の声に耳を傾けている



「先ずは姫の非礼を詫びよう……怖い思いをさせてすまなかった。」


「…………いえ、…………あの人お姫様やったんですね……」



あの美しい女性はお姫様………そう言われてしまえばすんなり納得してしまう美貌を思い出す


「…………綺麗な人ですね」


「あぁ!彼女は本当に美しい人だ…………」


心底嬉しそうな表情に目の前の人物が人間では無いという事を忘れて私まで頬が緩む

しかしその表情は直ぐに暗く沈み



「………僕と彼女の話しを聞いて欲しい」



重たい声色に身を固くする私に優しい微笑みが向けられて何処か遠くを見詰める王子様の瞳に吸い込まれて行く様な錯覚に陥った



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