ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第76章 彼ともう一人の人物
「……だけど俺は湖に立ち寄った記憶なんて無い。沙夜子が間違い無く俺だと断定するならば俺の知らないもう一人が存在する事に成る。………現に俺はその女の存在を確認していない。」
「能力の攻撃とか………?」
「念攻撃の可能性は無い。俺にならまだしも沙夜子をピンポイントで狙うとは考え難い上にいくら探っても念の気配すら無い。」
「…………じゃあ………あのイルミさんは………」
「そもそもあの女が物を動かした時点で霊体の起こすポルターガイスト現象だと思われる。………従って女と共に居たのなら同じく霊体………もしくはそれらに類似した存在と考えるのが妥当だね。霊なんて存在しないけど」
「………矛盾してますよイルミさん………」
「信じなきゃ居ないと一緒じゃん。」
「……………えっと話を戻して………じゃあもう一人のイルミさんはイルミさん本人じゃ無くて別人って事ですよね………?霊体と類似って………幽体離脱………?」
「仕事中に幽体離脱して俺何してるの。」
「え………だって他に考えられへんし………生き別れの双子……?」
「居ないよそんなの、仮に双子だとしてそいつ霊と何してるの。」
「……………確かに……でもほんまに!イルミさんなんです!………美人でかっこ良くて………美形で……あんな人二人もいませんよ!」
「………外見が酷似していても俺とは無関係な別物だとは考えない訳?」
「…………別物…………ドッペルゲンガー?」
「……………この世界には似た人間が三人いるって話だっけ?だとしてもそいつ何してるの。」
「何してるかは私にもわかりませんよ…………ただ、あの女の人イルミさんに恋してるみたいでした………」
「それこそ見当違いだと思うよ。湖にいた奴が俺とそっくりなら沙夜子がそうだった様に女もそいつと俺を間違えたと思われる。」