第75章 豹変

そんな状態で部屋に行き私が喚き散らした後に情報屋なんていう裏社会の方だったなら彼の顔に泥を塗り、更にはゾルディックへの露見の危険性だって有り得る

私は彼に一度だって仕事の関係上関わる女性が存在するか確認した事は無いし私と出会う前からのビジネス関係が有ってもおかしくは無かった


みるみる錯乱した頭が落ち着いて行く


ゆっくりと開いた部屋は昼間彼と素敵な時間を過ごした部屋で
私は裸足のまま何をしているのかとぼんやり思った



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悲しみが強く寒さも感じずにいたが冷えきった身体に湯船に浸かった後私はベッドに入っていた


彼と女性の間柄が解らない



私が１人考えていたって答えは解らない事等知っている

だからと言って思考を止める事は困難だった


ぐるぐると同じ事ばかり堂々巡りを繰り返しながらも一つ思った事がある


女性は確かに美しく彼は少し………いや、かなりいただけない表情を浮かべていたが

あの時ああせざるを得なかった何らかの事情が必ずある筈だ


仮にも私はれっきとした初彼女と初恋の人という彼の異性ランキングの中で二冠を飾った女である

簡単に浮気されるだなんてやはり思えない

彼の愛は本物だし彼の優しさも本物だ

幸運にも一番近くで触れている私がその事実を信じずにどうするというのか


…………………………しかしあの表情はいただけない……………