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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第74章 古城のホテル







部屋の灯りやテレビをそのままにバルコニーのカーテンを閉じ様と何気無く外の景色に目を落として私は固まってしまった


光る花が咲き誇る湖畔は淡く浮かび上がり私の場所からでも景色を鮮明に見て取れた


その湖畔に座り込む人の姿


金色の美しく長い髪が肩から流れ落ち高く通った鼻筋に色付いた唇大きくクッキリとした瞳は手元に落とされて儚い印象を与える

薄水色と純白のドレスから少し露出した肌は白く異彩を放つ耽美な女性は光る花に照らされて女神様や天女の類いなのかと錯覚してしまう

目鼻立ちから美人なのだが何処か儚く愁いを帯びるアンニュイな雰囲気が不思議な魅力と成っている様に思える


だけど私は女性を見て固まっている訳では無かった




………その女性の隣に寄り添い座っている人物は彼だった


まるで慈しむ様に愛しそうな視線を女性に向けて寄り添い座っている二人の姿に胸が潰れてしまいそうに成った


………彼は仕事だと………仕事の下見をするのだと言って出て行った


彼は私に"待っていて"と優しいキスをこの髪に落とした




…………何故………………?




視界に映る光景を何かの間違いだと思って何度目だろうか…………?


だけど何度嘘だと思ってみても艶やかな黒髪、印象的で黒目がちな瞳に薄い唇………何処からどう見たって彼以外の誰でも無かった



彼は他人との接触を好まないのではなかったのか

私と隣合って座っていても触れない距離を保っているのに


今彼の隣にいる女性との距離は私よりも随分と近い肩と肩が触れ合う距離だ



呼吸が巧く出来ず短く切れる



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