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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第74章 古城のホテル







室内を照らすシャンデリアを仰ぎ見れば部屋の隅迄光の届かない仄かな灯りが見える


「…………え…………さっきまではもっと……………」


無意識にそこまで口にして唇を閉ざした


バクバクと鼓動が煩く変な汗をかき始める


彼が一緒なら気に成らないが一人となると恐怖心は膨らみ勝手にそう見えているのだろうと言い聞かせてみてもチキンな私のハートには響かなかった


「…………く、暗すぎるかなぁ~?目悪くなるやん~」


無理矢理おどけた声を出しながら然り気無く部屋の灯りのスイッチを探す

何故然り気無く探しているのかは解らないが理由を付けるならオバケにビビっていると悟られない為である

別にそれで何が変わるとかは私には解らない。

弱々しい態度を示してしまえばオバケの思うツボだと思ったのだ



私は室内中の明かりを灯した



とは言ってもリビングルームに設置されていたのはシャンデリアの他ベッドサイドの小さなチェストライトだけだった


チェストライトを点けた所で室内の明るさに何等変化は無いが気持ちの問題だ


私は余裕たっぷりの歩みを演出しながら親方のケージの傍に立った

彼がいない今、私には癒しが必要だ

木製ベッドでスヤスヤ眠る親方のお尻をガン見する


……………そもそもこの部屋にオバケがいる確証は無い


そんな確証は無くて良い、寧ろ全力拒否だが


見たところ歴史ある建築物だし部屋の印象の変化から嫌が応にもホラー思想に成ってしまう


何とか気分を変えて眠ってしまいたい


そう思いながらずっとハムケツを見続けてどれだけの時間が経過したのかすっかり湯冷めした身体がブルリと震えて我に帰る


………このままでは風邪を引いて彼に迷惑を掛けてしまう


ドライヤーは洗面所NGの為に使えないが早い所ベッドに入ってしまおう

少しでも温かくしていれば風邪を引かずに済む……

とにかく彼の足を引っ張る事は避けなければ成らない




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