ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第72章 ハロウィンの夜と猟奇の愛
スリットが持ち上がった所で肌が見える訳では無いが何処か悩ましくセクシーなのだ
「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
「……………。」
「はぁあ~カッコいい…………」
「………もう良いよそういうの。」
夢中で彼を撮り始めてどれくらい経ったのだろうか
いい加減うんざりしたらしい彼が痺れを切らせて私のスマホを取り上げてしまった
「あー!立ち姿も撮りたいです!!」
「十分付き合ったよ、終わり。」
有無を言わせず言った彼は遠くソファーに私のスマホを放ってしまった
流石のコントロールでボスンと音を立てたソファーにスマホが無傷なのは間違い無いが
彼の素敵写真を撮れない事に肩を落とす
「飲みなよ、まだ酒あるんだし」
「…………はい」
背中を押して私を椅子に座らせた彼は2つのグラスに赤ワインを注ぐ
「珍しいですね!飲み過ぎっていっつも止めるのに」
「別に。」
「そうや!イルミさんお誕生日は如何でしたか?ご家族お元気でした?」
「別に変わり無いよ。」
その後彼はポツリポツリと仕事の話をしてくれた
人を殺める仕事の話を聞いている筈なのに
「猫がいたよ。毛が長いやつ。」
ターゲットの屋敷にいた猫の話や途中野宿した屋根がボロボロだったなんて話をする彼を可愛く思ったりした