ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第72章 ハロウィンの夜と猟奇の愛
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「ふんふんふ~ん~♪」
「…………。」
自身の隣で機嫌良さそうに鼻歌を歌う彼女をチラリと盗み見る
すっかりアルコールが回っているのかうっすら赤い頬、トロンと落ちた瞳
彼女は今自分がどんな格好でいるのか忘れてしまっているらしい
短いスカートから伸びる脚はガーターストッキングに覆われ僅かに見える素肌の太腿が自身を駆り立てる
「………沙夜子」
耳元に唇を寄せ触れそうな距離で言葉を落とす
彼女と自身は根本的に基礎体力が違う
頻繁に求めては彼女の身体を壊しかねないと日頃からストッパーを掛けている
その上彼女の下らないダイエットにも付き合った
更には前回の様に彼女が気絶しない工夫として感度を鈍らせる為に酒を飲ませた
欲求は募る一方だ
俺は十分に待った
ピクリと身体を跳ねさせ声を詰まらせた彼女からワイングラスを取り上げて露出した肩に唇を落とす
覗き見た彼女の顔は先程とは比べ物に成らないくらい真っ赤に染まっていて交わった視線でこの先に進んでも良いと判断した
…………まぁ無理だと言われても無理なんだけど
そもそも彼女の衣装から下着に至る迄この為に選んだも同然だった
「……イルミさん……」
普段より弱々しく紡がれる自身の名を聞きながら小さな身体を抱き上げソファーに降ろす
少し不安気な瞳を向ける彼女の隣に腰を下ろすと同時に唇を奪う
プニプニと柔らかい唇は何時もとは違う色をしている
自身が選んだ衣装に合わせられた普段とは違うメイクには最初から気付いていた
下心があっての事とは知らずにめかし込む彼女が酷く愛しい
強張った身体から緊張感が伝わって
それを溶く様に啄むだけのキスを重ねる
出来るだけ柔らかく背中を撫でれば彼女の緊張が僅かに緩んだ
その隙をついて唇を割り舌を捻入れれば自身と同じ赤ワインの味がした