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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第72章 ハロウィンの夜と猟奇の愛





まだまだ食べていない料理は沢山あるけれど先程食べた物はどれも絶品だった

しかし他の物も食べておきたい………なんて食い意地の張った私の背中に彼はポツリと問い掛けた



「ところでハロウィンって何するの?」


…………確かにそう思うだろう

先程から私達は変わり種の豪華な食事をしているに過ぎない


しかしハロウィンに何をするのかと聞かれてもピンと来なかった



「そうですね…………お菓子?」


「?」


ハロウィンについて無知な私の中で浮かんだのはお菓子だった

『トリックオアトリート』お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ!というやつである

私は途端に彼の傍へ駆け寄っていた


「イルミさん!トリックオアトリート!」


「………何。」


「お菓子くれへんかったらイタズラします!」


「………………。」


彼の手元にお菓子は無い

従ってイタズラルートが確定している…………!!!

じっと私を見詰める黒目がちな瞳を見詰め返していると突然唇に何かが押し付けられて目を見開く


「はい、お菓子。早く食べて。」


いつの間に取って来たのかフォークに乗ったケーキが無理矢理に押し付けられる


「ちょっ……「ほら早く、あーん。」


一口ではどう頑張っても食べられそうに無いケーキを顔に押し付けられ更には急かす彼の言葉に私は懸命にケーキを頬張る


…………彼のお陰で頬や鼻の頭、口周りが壊滅的にクリームだらけに成った


「…………いつケーキ取ったんですか……」


「沙夜子に言われてから取りに行った。」


「え………目の前にいてたやん………」


「残像を残しただけ。」


「……………」


「これで悪戯されないね。」


言葉を無くす私とは裏腹に楽し気にパンッと手を叩いた彼の姿に文句を言う事は出来ず私は静かにクリームを拭った


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