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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第72章 ハロウィンの夜と猟奇の愛







「飲んでばかりしないで食べなよ」


なんて呆れ顔の彼に頷きながらも至極のアルコールを堪能していてふと疑問を感じた

相当な品数の料理の隣に積まれた真っ白な食器に銀のスプーンやフォーク

………二人なのにまさかの立食形式……


テーブルから距離を空けて2つ並んだフカフカの椅子が何ともシュールである

そして私は思う


果たしてこれはハロウィンパーティーなのか………と


本来のハロウィンパーティーとはそもそも秋の豊作を願い悪霊を追い払う行事……みたいな感じだ

それが様々な場所で色を変えて日本では仮装して街を練り歩いたりワイワイと食事をする行事に成った


静けさが耳に付く部屋で食器の音だけが響き二人並んで只食事を黙々と進める…………これはハロウィンパーティーだろうか………



何気に食べるペースの早い彼は空に成った皿を片手に再びテーブルへと向かい黙々と料理を吟味している


「……………」


「……………。」



そもそもこの世界にハロウィンという行事が存在しないので仕方ないがカボチャのランタンや骸骨なんていうそれらしい飾りも無く華やかに飾られた室内

彼は見目麗しく正装かな?と思える出で立ちだが私に至っては何を思ってこんな格好で食事をしているのか理解が出来ない


彼がアオザイを着る条件として私はどんな仮装でも黙って着用するという理不尽を飲んでしまったので黙って着たものの俯瞰で見れば私だけ馬鹿みたいだ


現に窓ガラスに反射して見える私の姿はいたたまれない物だった

長い脚を組んで上品に食事する彼は何をしていても絵に成る
完璧な迄に着こなされたアオザイは元々彼の所有していた物なのではと思う程様になっている


………………問題は隣の人物だ

頭に乗った猫耳、露出度高く尻尾の付いた奇妙な格好で酒を煽っている
首元に見えるのは鈴の付いた首輪なんて変態の王道を行く不審人物………あれは私だ


現実に絶望しても何も変わらないのでとりあえず料理を取りに行く




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