ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第71章 パーティーの知らせ
猫のコスプレという事を悟った私はメイクも普段と違い猫目を作り真っ赤なリップを塗った
………………好き好んでこんな格好をした訳では無いが折角馬鹿げた格好をするのだから羞恥は置いておき、徹底的にやってしまおうと思った
いつもより気合いの入ったアイラインで私には皆無な小悪魔的要素を取り入れる作戦だ
ノーズシャドーだってがっつり入れて気分はハーフであるが……………
頭に乗った猫耳は間抜けに変わり無く更に足元のガーターストッキングは私には不釣り合いな程セクシー路線、顔は普段の数段厚い小悪魔を意識したメイク
こんな姿で彼の前に出るなんて冷静に考えればどうかしている…………
頭の先から足の先迄彼の趣味という訳だが
…………マジでどうかしている…………
更に首輪を付けるなんて…………そんなの…………そんなの…………!!!!
「遅いんだけど。」
「きゃあッ!!!!」
「料理来たよ、何手間取ってるの。」
「………………」
怒涛の様な羞恥と葛藤する私の背後に音も無く現れたのはアオザイ姿の彼だった
シルバーホワイトのアオザイには黒い紋章柄が入りスリットから覗く黒のパンツ
立ち襟が凛とした雰囲気を際立たせ肩に落ちる黒髪が美しい
首元は勿論の事、普段より露出無くきっちりと着こなされている筈なのに漂う雰囲気は妖艶な物だった
少し窮屈そうな胸元は逞しく鍛え上げられた肉体を彷彿とさせ恐ろしく整った容姿が此方を見据える眼差しに呼吸すら忘れて見惚れてしまう
「似合ってるよ。」
私の全身を確かめる様に注がれる視線に耐えきれず熱く成る頬
「首輪付けてあげる。」
開かれた唇から吐かれた言葉はどこか淫靡に響いて
首輪から鳴る鈴の音、彼の妖しく歪む口元に私は抗う事が出来なかった