ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第71章 パーティーの知らせ
以前ヒソカさんが訪れた時の様にボディーガードが縛られてるなんて事は無く、彼等が帰宅した後も普段と何ら変わり無い廊下の様子を確認して知っている
フロアは彼が出て行く前と何も変わり無い筈だ
だとするならばボディーガードからの報告、またはホテルフロントからの報告だろうか………
なんて思考を巡らせる私に
「仕事の依頼人はクロロだからね。詳細は全て聞いた……二人で無理矢理押し掛けたとか何とかムカつくからぼったくってやった。」
「………え"…………」
まさかクロロさんが先に話していたとは思いもしなかった
確かに内緒に出来ると話していたのはヒソカさんだしクロロさんは彼に隠す様な意向を示していなかった
ヒソカさんでは無くクロロさんが話してくれた事で彼の中で拗れずすんなり理解してくれたのだろう
私にとっては恐怖の御叱りから守ってくれた偉大な人物なのだが、八つ当たりにぼったくられるなんて可哀想だ………
………………依頼人はクロロさんだったんだなぁ……………運が悪い………
複雑な心境で立ち尽くす私を他所に彼は悠々とソファーに腰掛けると
「で、答え合わせがしたい……もう一度全て話して。」
単調に言いながら気だるげに髪をかき上げた
…………やはり彼は慎重な人だ………
詳細の全てを聞いたと言っておきながらクロロさんの証言を信用してはいないらしい
私は何だか叱られている気分に成ってソファーに隣合いながらも足元はずっと正座だった
ありのままの出来事を話している筈なのに彼の細められた鋭い眼差しに変な汗が滲む
「…………で、お二人はコーヒー飲んだら帰りました………」
恐々紡いだ言葉
チラリと様子を伺えば彼の真っ直ぐな視線と視線が交わった
「………それが全てだね?」
普段より数段低い声に本当に全てだっただろうかなんて自身のした話を振り返って何度目だろうか
窮地に立たされた私は嘗て無い頭の回転を見せていた
記憶を振り返ったのはほんの数秒で
「全てです」