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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第70章 訪問者の確信






チャイムを鳴らした人物が誰なのか解らない


異世界にやって来て初めて対人の恐怖を思い出す

私の脳裏に蘇ったのは女性ストーカーの姿だが異世界にいる今あれ所の騒ぎでは無い


あの時ですら私は無力に泣きながら彼に助けを求めたのだ


私は扉の方をじっと見遣ったまま手に汗がじんわり滲んで動けなくなっていた


其れだけこの部屋に事前連絡無く訪ねる人物等皆無であり
チャイムが音を響かせる事等無かった





『誰が訪ねて来ても出ない事。部屋に招き入れない事。』


これはこの街に到着した際に彼が私に言い聞かせた決まり


…………大勢のボディーガードでも止められない人物が訪ねて来たのかもしれない………



背中に冷や汗が伝う中


私は極力音を経てぬ様に寝室に移動し大きなベッドの下に潜り込んだ


すんなり扉を開くのは恐ろしく、そのまま突っ立っているのは無防備に思えた


狭い隙間に身を隠し只耳をすませる


それと同時に扉が開く音と共にリビングのフローリングに足音が響いた



バクバクと耳にも煩い心臓の音

口元に手を遣り懸命に息を潜めて心の中で只彼の名を呼んだ


カチャリと開くベッドルームの扉


近付いた足音は二人分


只でさえ非力な私に二人がかりで来られては抵抗の余地等無く最悪の事態が頭を過った



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