• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第69章 スパルタコーチ






彼に抱き着いたまま満面の笑みを向ければ彼は私を軽々抱き上げるとソファーへと運び座らせ寝室へと消えてしまった


「……………?」



てっきり優しいキスとか今のお姫様抱っこがご褒美だとか
ご馳走を食べに行くなんて事を考えていたのだが


クローゼットの開く音を聞きながら疑問符が脳内を駆け回る


後ろ手に何かを持った彼が私の前まで歩み寄る様を私は只眺めていた


伏し目がちな瞳が私を真っ直ぐ見据えて突然目の前に現れた物


「はい。」


「えっ………」


ピンク色の大きな苞の中心にラッパ状の小さな花が付いた特徴的な花の花束だった


「ありがとうございます!!」


受け取ればしっかり茎のある其れは本来花束にする様な植物では無い様に思う


「枯れる前に渡せて良かったよ。」


なんて隣に腰掛けた彼


「わざわざ買ってくれてたんですね……ありがとうございます!」


「俺が摘んできた。」


「えっ!!」


「ブーゲンビリアって言う花だよ。見た目はあれだけど花言葉で選んだ」


購入したのでは無く摘んできたという何とも予想外な言葉にも驚いたが花言葉を彼が知識として持っている事に驚きを隠せなかった


…………花言葉も暗殺に必要なのだろうか…………?

なんて思いながらも花に込められた想いの方が俄然気になる


「花言葉!何なんですか!」


「知らない。」


「えっ」


ふいと逸らされた視線

そわそわと落ち着き無く組み変えられる長い脚



………………照れているな……………?



彼には珍しく照れている様子から絶対に口を割らないだろうと判断し

スマホで調べた



何度も花の名前を聞き返し、表示された文章を繰り返し読む


彼はきっと何度花言葉の意味を聞いても直接言葉にはしてくれないのだろうけど

花束にのせて贈られたご褒美は彼の気持ちだった



ドキドキと高鳴る胸は彼への想いで溢れて幸せが全身を包み込む


「ありがとうございます!イルミさん大好き!!」


「ふーん。」







ブーゲンビリア:花言葉

貴女は魅力で満ちている

貴女しか見えない





/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp