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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第69章 スパルタコーチ







何度も体重計に乗ってみるが数字は同じで



「………で、結果は。」


なんて単調な声に私はぼんやりと体重が増えていたと呟いた



その瞬間彼が纏う雰囲気が変わった事に私は声を詰まらせた



「俺がこんなに指導してるのに結果を出せないってどれだけ無能なの。」


「っ………………」




グサリと刺さる言葉に目の前が暗くなる


……………私が彼に提案した案を彼は忠実に実行してくれているだけ


現に昨日痩せていた時は「頑張ってるからね、この調子だよ。」なんて労いの言葉をくれて私を甘やかしてくれた


しかし、もしかしたら彼の本音は此方なのでは……なんて事が頭を過って胸が痛い



「大体自己管理が甘いから太るんだよ、そんな身体で良く平気でいられるね。俺なら死ぬ」


「……………」


「今日は別で寝ようか。沙夜子が幅取るからゆっくり眠れそうに無いし」



無表情ながら幻滅したとでも言いたげな眼差し

単調ながら吐かれる言葉は冷たく



みるみる視界が霞んで行く


自分が頼んだ事なのだ


だけど………大好きな彼に言われると本気で落ち込み傷付いてしまうらしい



「肥満が移りそうだから近寄らないでね。」



冷たく言い放った彼は私の言葉を聞かずにテレビを付けてしまった


彼が背中を向けるのを待っていたかの様に涙がどんどん溢れ出す

………彼は演技をしているだけだ

私が頼んでおいて泣いてしまうなんて彼を困らせてしまうに違いなかった


其れでも溢れる涙を止められず立ち尽くしている私に


「………ちょっと泣かないでよ。」


彼はソファーに腰掛け背中を向けたまま酷く優しい声色で呟いた


「………っ……ずみません"……」


懸命に溢れる滴を拭いながらも涙声に成る私に



「沙夜子が頑張れるって言うから協力してるんだよ。其れに筋肉は脂肪より重いし多少体重が増えても其れは脂肪じゃないから気にしなくて良い」


「………はい……ありがとうございます………」



彼は優しい言葉を掛けてくれた




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