ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第69章 スパルタコーチ
「イ………イルミコーチ………」
「うるさい。」
「うぐぁッ………!!」
その後も鬼の様な筋トレは続き
「休憩して良いって言って無いよね……何回言わせるの」
「私はイルミさんと違ってか弱いんです!!」
「コーチね。」
「痛い"ッ!!!!」
私はたった数時間の間に満身創痍に成っていた
「はい、食事。しっかり噛んで食べなよ。」
流石と言うべきか彼は徹底したスパルタコーチだった
日頃からトレーニングを行う等体調管理にも予断を許さない彼が味方なのは心強いが
常人の私には厳しく壮絶な物だった
昼食に出されたのは牛ヒレステーキ
入手から調理まで全て彼に行われ私は出されるまま其れを食べる
「今6回しか噛んでない。」
「………はい」
何故彼がここまで私のダイエットに尽力を注ぐのか
その理由は
「これでも耐えてる方なのにお預けなんてごめんだよ。」
との赤裸々な発言により発覚した
思わぬ本音に赤面した私だが痩せられるなら其れで良い…………
________"
私はこの3日間汗水垂らしてイルミコーチに食らい付いた
彼が不在の日は自主トレメニューを言い渡され私は忠実に勤しんだ
……………お尻をぶたれないだけマシである………
ガッツリ定食の様な朝食
大体牛か鶏肉だけの昼食
野菜とスープのみの夕食
それらの甲斐があってか順調に体脂肪を減らしていた筈だった
「…………なんで………」
体重計が示す数字に絶望を覚える
………………0.5キロ増えている…………