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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第68章 ダイエット宣言






長い手足、何一つ無駄の無い肉体、端正で中性的な顔立ちに艶のある黒髪…………彼は圧倒的な美形である

顔のみ成らず完璧な迄に鍛え上げられた身体は恐ろしいくらいに魅惑的なのだ


そんな神に愛されし彼の彼女ともあろう者がこれではあんまりだ……



夕飯を終えて入浴を交代で済ませぼんやりテレビから流れるバラエティー番組を見ながらも私の頭の中は今の事態を早急に解決しようと忙しなく回転していた


スマホで即座にダイエット方法を検索し、かじりつく様に読み込む

読むより実践が一番だが

彼の前で間抜けなストレッチを披露する勇気は無い

出来れば太った事も悟られたく無い


従って、正しい知識を付け彼の不在時にじっくりと実践して行くのがベストだと判断したのだ

しかしダイエットを題材にしたページは探せば無限に出てくる

やはり世界は違えど女性の永遠のテーマなのだろう………


なんて妙に感心していると


「……沙夜子」


低い声と共にスマホを持っていた手を引かれて彼の腕の中に閉じ込められる

突然の出来事に唖然とする私の手からスマホが滑り落ち
床に落ちる音がやけに響いた

そしていつの間にかテレビが消されている事に気付く


近い距離にある彼の胸板から視線を上げれば少し不機嫌そうな彼の瞳が私を捉えた


「さっきから呼んでるのに何無視してるの。」


「え、すみません………」



彼が私を呼んでいたなんて全く気付かなかった……

それだけダイエット記事に夢中だったのだろうけど


「別に。」


なんて気だるげに髪をかき上げた彼に只見惚れていると

そこから覗く瞳は不機嫌な物から瞬時に妖艶で愛欲的な色に変わっていた


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