ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第68章 ダイエット宣言
10月のある日
最初の異変はジーンズだった
最近どうも動き辛い
そして今日感じたのはヒールのキツさだ
……………………ヤバいかもしれない
そう自覚する頃には時既に遅く
「嘘やろ…………」
私の体重は元より6キロの増量をしていた
ホテルに備え付けられている体重計へ何度乗り降りしただろう
変わらず表示される数字は私の目の錯覚や機械トラブルでは無い事を知らせていた
鏡の前に立ちまじまじと自身を眺める
当然ながら鏡の中には自身が映る訳だがそのフォルムはぷっくりとしており体重計の数字が重く現実を突き付けた
「………………太った……………」
_________"
私は易々太って良い人物では無い
カチャカチャと鳴る食器の音に視線を向ければ上品な所作でフォークを口に運ぶ麗しき姿
私と彼の見た目偏差値はどう頑張っても不釣り合い
そんな私を奇特にも恋人に選んだ彼の隣でブクブク太っている余裕なんて皆無……!!!!
最初から歴然であるビジュアルの壁を自分でどんどん高めてしまうなんて愚か者だ…………
持ち上げていたフォークをそっと元に戻す
「…………ごちそうさまでした」
「珍しいね、残すなんて。」
「………ちょっと食欲無くて」
「体調悪いの?」
「いえ!めっちゃ元気です!」
彼と同じ様に食べている場合では無い
早急に元に戻さなければ恥ずかしくて並んで歩け無い………