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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第67章 和やかな雰囲気





ホテルの窓から見える特徴的な建物

私はあの場所を漫画やアニメで知っている

私の知る物語の舞台に成った場所を実際に見てみたいと思うのは当然では無いだろうか


しかし


「却下。」


彼は珍しく私の提案を拒否した


「何でですか!」


聞かずとも薄々解るが食い下がれば呆れ顔で振り返った彼

基本的に無表情なのに呆れていると解るのは彼と共にした時間が成せる技だろう


「あんな毎日人が死ぬ場所に連れて行く筈無いじゃん。」


「…………」


「他に候補は?」


なんて溜息混じりに私を見下ろす彼をじっと見詰める

………他に彼と行きたい場所………

聞かれても候補は山の様にある
動物園にプラネタリウム、遊園地、其処ら辺のカフェだって彼となら立派なデートスポットに早変わりだ

しかし私には如何せん土地勘が無くこの街に一体何があるのかイマイチ解らなかった


「イルミさんが連れて行ってくれるなら何処でも」


なんておずおず答えた私に彼は思考を巡らせる様に視線を漂わせた後に私の手を引いて歩き出した



一体何処へ連れて行ってくれるのだろうなんてワクワクした私が立っているのは広い駐車場

…………正直嫌な予感しかしない


隣立っている彼の様子をチラリと伺えば彼はズラリと並んだ車を見据えて吟味する様に視線を走らせていた


「………あの………」


なんて口を開いたが先か彼が動いたが先か

彼は磨き上げられた白い車体が美しい如何にも高級車へ真っ直ぐ歩み出し私の目の前で躊躇無く鍵を開いてみせた


「っ………!!!!」


…………知っていた


彼の車が毎回変わる事、そしてその車の数々が彼の所有物では無い事

毎回変わる車の車内が明らかに彼の趣味では無い時が時折あって薄々ではあるが盗難車なのだろうと思っていた


しかし目の前で目撃してしまうとかなりショッキングなもので私は只唖然と立ち尽くす他無かった



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