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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第67章 和やかな雰囲気




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昼を過ぎた頃部屋の家具一式が漸く設置され終わり

彼は弁償費用をキャッシュ一括でサラリと支払ってしまった

額は確認していないが相当な札束の量から馬鹿みたいな出費だなと思う


怒りを物に当たり散らす行為は相当厄介だ………


真新しいテーブルに並んだマグカップから湯気が登るのを眺めながら私は口を開いた


「イルミさんってヤキモチ焼きさんですよね」


「別に。」


……………何故否定出来るのだろう

他人事の様に白々しい無表情をガン見する

彼が嫉妬深く独占的な所は私のみならずヒソカさんも周知の事実だ


「私は別にそれが嫌とかじゃないんですよ?……ただ、こうも部屋をぐちゃぐちゃにするのはどうかと思うんですよ」


「どうして?」



……………この人ヤバい。


破壊行動に反省を覗かせていると思っていたがどうやら違う

昨日彼が口にした謝罪は、勘違いで怒っちゃってごめんね、という謝罪であり

ベッドに関しても寝る所ぐちゃぐちゃにしてごめんね、くらいに思っているのかもしれない

そもそもホテルの備品を破壊する事に反省等微塵も無い…………



「どうしてって………」



私は困惑していた

至極当たり前の事を理解していない彼にまともな説明をして理解して貰う事は可能なのだろうか……


「だって木片が親方に刺さったりするかもしれへんし、私だって踏んだら怪我します………ベッドが無いと寝づらいし……弁償代払うお金で沢山デート出来るじゃないですか…………」



私は一般常識的な説得を放棄した

チラリと様子を伺うと彼は何か思考を巡らせる様に視線を漂わせた後にポツリポツリと言葉を落とし始めた


「沙夜子の言い分は解った」


「だけど壊してる時の記憶が曖昧なんだよね。」


「改善出来る自信は無いけど気を付ける。」


真っ直ぐ交わる瞳から彼がしっかりと理解してくれた事は伝わって来るのだが

記憶が曖昧だなんて相当重症である………



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