• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第67章 和やかな雰囲気



________"




「痛………」



爆睡していて何だが身体が痛い

ここの所上質なベッドでばかり眠って甘やかされた身体にはやはり厳しい物だったらしい

何となく起き上がらずにぼんやり天井を見詰める

直ぐ隣から聞こえる規則正しい寝息に視線を向ければ普段よりあどけない顔で静かに眠る彼の姿があった

未だ彼の腕に頭を預けたままの私がする事と言えばもっぱら観察である

いつの間にか私を抱き寄せる様にお腹に回された腕を持ち上げてみると力が入っていない為にずっしり重たかった

血管が浮き出た場所を指先でなぞり大きな手に触れる

少し冷えた指先

彼の体温は基本的に低い

指を絡めてぎゅっと握ればやんわり握り返されてドキリと心臓が跳ねた


「………イルミさん……?」


おずおずと様子を伺うが先程と変わらない姿に起きた訳では無いらしい

緩く開いた唇に触れると柔らかく形を変える

途端にくぐもった声を漏らした彼は寝返りを打ち私は彼の凄まじい力によって彼のご立派な胸板に顔面を打ち付けた


「ぐあっ!」


なんて間抜けな声を上げたのも低い鼻を強打した痛みからだが自身の体勢を認識した所で馬鹿みたいに心拍数が早く成った


………仰向けで眠る彼の上に全ての体重を預けてしまっている

つまり私が彼を組み敷いた様な体勢なのだ


どうにか脱出しようと身を捩ってみても両の腕ががっしり私を捉えて放さず私を抱き枕か掛け布団と勘違いしていそうな勢いだ


/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp