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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第67章 和やかな雰囲気






暗闇の部屋に月明かりが差し込む中

とりあえず隣り合って横に成ったもののシュール過ぎる状況に目が冴えてしまっていた


しかも床は結構冷えて寒いのに掛け布団も無い

確かにホテルで宿泊している筈なのにテントで眠ったあの日より寝心地が悪い


「沙夜子」


そんな時ポツリと名を呼んだ彼に視線を向ければ彼も先程の私と同じ様に只天井を見詰めていてその瞳は微塵も眠そうでは無かった



「はい」


「腕枕する?」


「……腕枕」


彼に腕枕をされた事は一度も無い

抱き締められたまま眠った経験はあるが基本的に彼は眠る時にベタベタと引っ付くタイプでは無いのだ


…………これも反省故だろう………


彼の硬い筋肉では寝づらそうだが床よりは随分と良い

おずおずと上体を起こせばすっと伸ばされた腕に頭を乗せる

彼も自らの腕を枕にする様に此方を向いているので何時もより近い距離に体温が伝わって胸が高鳴った

しかし彼の腕は想像よりも寝心地が良く、体温が伝わる事で寒さも緩和される


「ありがとうございます」


「うん。」


至近距離で見詰め合っているのがくすぐったくて瞼を閉じれば空いた方の手が私の髪を撫でた

心地好い感覚に身体の力が抜けて行く


「イルミさん泊まるホテル全部で物壊してますね」


「……うん。」


「駄目ですよ」


「………うん。」


素直な返答にクスリと笑みを漏らしながらも次第に睡魔が身体を包み


「おやすみなさい」


「おやすみ。」


私は彼の腕の中で眠りに付いた



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