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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第67章 和やかな雰囲気





翌日


身体の痛みに身を捩れば隣から小さな唸り声が聞こえて瞼を開く

何時もより遠く高い天井をぼんやり眺めて

本当に何時もより遠いのだと思い出す



遡る記憶は昨夜、ベッドルームに至るまで破壊の限りを尽くされた惨状に私は乾いた笑い声を上げた

どれだけ怒り狂えばこんな有り様になるのだろう

そんな私の隣で私を真似る様に


「あはは」


と抑揚無く謎の笑い声を上げた彼をガン見すれば

すんと無表情に成った様子は少し面白かった

無表情故に本心は解らないが逸らされた視線から察するに反省しているのだろう

原因は私が彼を嫉妬させてしまった事だが嫉妬する度何かを壊すなんて凄まじいと思う

其だけ愛されているのだろうかなんて舞い上がりながら


(イルミさんはヤキモチ焼きだなぁ~)


なんて楽観的過ぎる思考が過るのも無事誤解が解けたからだが

冷静に考えると恐ろし過ぎる

しかし今の私は目の前の現状に正気でいると疲れてしまうと判断した

彼のヤキモチ対策は後日の課題とし、今は一先ず寝床の確保を先決とする


「…………何処で寝ます?」


「………フロントに頼んで新しいのを「いや、深夜ですよ。破壊した上に今から持って来いって………」



私達は床でルームサービスを貪りアルコールを煽った


彼もご機嫌な様子でお酒に付き合ってくれ、時刻は深夜3時に近い



「…………床で寝よう。」


「……………」


「ごめん。」



唯一無事だったシーツをフローリングに敷いて横に成るが薄い生地だけではフローリングに直で寝そべるのと大差無かった

せめて枕が欲しい所だが枕もクッションも全て綿毛に還ってしまっているので仕方がない事も無いがどうしようもない



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