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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第66章 言いたい事はひとつだけ



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その後私の話しを静かに聞いてくれた彼は私のプレゼントをしっかりと受け取ってくれた

小さな黒い箱から取り出されたネックレスに


「ありがとう。」


彼は柔らかい微笑みを見せて私の心臓を殺しに掛かった


首元に輝くシルバーの逆十字架はやはり彼に似合っていて私は其だけで大変満足なのだが


「イルミさん!ケーキもありますよ!誕生日と言えばケーキですから!」


「………ケーキ。」


私の言葉に輝く瞳が可愛くてニヤニヤが止まらない



…………しかし家具の一切を無くした部屋の何処でケーキを食べようか………


見渡してみても台になりそうな物は一切無くて結局私達は地べたに座りケーキを囲んだ


蝋燭の淡い光を見詰める彼の表情が何処か柔らかくて懐かしく成る

私のアパートで食べた平凡なケーキに良く似たケーキには27を型どった蝋燭が立っていた


「さぁ!消して下さい!」


私の声を合図に吹かれた炎は細い煙りを薄く残して消える


「ちゃんと覚えてたんですね!」


以前彼は指で摘まんで炎を消して私を驚かせたが


「馬鹿にしてる?」


なんて少し不満顔の彼に笑みが漏れた


そして


「イルミさんは主役ですから、これはイルミさんが食べてください!」


「……いただきます。」



ケーキに乗ったハート型の砂糖菓子


サンタクロースやトナカイの砂糖菓子では無いけれど



一口噛った彼の表情は非常に不愉快そうな何とも可愛いらしいものだった



「何これ要らない、沙夜子にあげる。」


「あ、私も嫌いなんで結構です」


「……………。」




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