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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第12章 只眠る1ヶ月






元の世界に戻って1ヶ月が過ぎた


独房でのトレーニングはやはり二週間程度で済んで只ひたすらに仕事をこなす日々を送る


自分の時間なんて要らない欲しくも無い


時間があれば考えるのは彼女の事ばかり


しっかりと食事をとっているだろうか………眠れているだろうか………


空を見上げた一瞬にでも彼女の事が駆け巡る


そんな事を考えてしまうのも奴のせいだ


今日のターゲットは異世界へ飛ぶきっかけに成った男


情報網を張りやっと見付けた男は呑気にコーヒーを飲んでいる

人が多いオープンカフェテラス

今殺るのは得策では無い

抵抗されては余りにも目立つ


期を伺いじっと観察するのも仕事だ

気配を殺し息を殺す

今この世界に自身は存在しない


次第に小雨が降り始めて男は路地に消える

雨は視界を悪くして人目を避ける


………今しか無い


狭い路地に降り立ち針を投げる


狙いは外れていなかったが男は見事に全てを避けた


「………ゾルディックか……」


「……だったら何。」


素早く地面を蹴った男は能力で斧を出現させた

厄介なのはあの斧の間合いに入ると自身のオーラを削ぎ落とされ奴のオーラに早変わりする

しかし針での遠距離攻撃は弾き落とされて埒が開かない


其れでも数を打ち込み距離を詰めるが飛んでくる斬撃に針は的を外れる

ギリギリのラインを推し量る

奴のテリトリーに入らず的確に急所を狙える場所は何処なのか

ランダムに放つ針は最低5本

死角を見付けられるのがベスト

誰にだって死角は存在する


奴の斬撃を避けながら背後、上部左右と様々な角度から攻める内に一点反応の鈍い角度を見出だした


(………そこか………)



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