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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第66章 言いたい事はひとつだけ






ヒソカさんの言葉には少なからず納得したのだ

しかし訂正するならば私を心配しているというのは事実だと思う

感情の起伏の少ない彼が不安を覗かせ更にはフロアを貸し切る等の対策を取っている

私を部屋に閉じ込める根元は心配なのだと感じる


ただ、ヒソカさんの言葉に否定の余地は無かった

確かに彼は異常な迄に私に外出を禁ずるのだ
その際に垣間見える歪んだ思いに気付かない訳が無い

彼は本来執着心が強い人だと思う

家族に対して向ける愛等はまさに其れだ

嫉妬深く独占的、監視したいのだと言われてもすんなり納得してしまうくらいに歪んでいるのが彼だ

黙り込んでしまった私にヒソカさんは言葉を紡いだ


「まるで籠の中の鳥だね♦️」


籠の中の鳥………確かにそうかもしれない

決められた部屋で日夜彼の帰宅を待ち
与えられた物で時間を潰し、与えられた服を着る

外に出たいと思っても彼は其れを許さない


「自由になりたいと思わない?♥️」


見上げた先酷く意地悪に笑うヒソカさんの姿に何故か息が詰まった

もしも私が自由を望んだなら連れ去ってしまえるのだろうと思わせる表情は妖しく誘惑的で恐ろしく感じたのだ

恐れを抱いて身体が強張る私の耳元に


「ねぇ沙夜子ちゃん♥️」


ねっとりと呟きが落とされて私は即座に身を引いた



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