• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第65章 お小遣い大作戦






1日働いても平凡な人なら稼げるか稼げないかの額をたったコーヒー一杯入れただけで受け取るのはおかしい


「イルミさんっ…………!こんな大金受け取れませんっ!!」


「は?」


彼の金銭感覚の狂いぶりに焦る私とは相反して彼は無表情に短い言葉を吐いた


「お小遣いですよ?!」


「………だから渡してるじゃん。」


「私小銭で良いです!!」


最初からそのつもりだった10ジェニーだって100ジェニーだってお小遣いが貰えれば良いのだ


大した額にならなくてケーキが買えなくてもプレゼントが豪華じゃなくても気持ちが伝われば良いと思っている


しかしそんな私の思考を知るよしもない彼はずれた説明を始めた


「沙夜子、硬貨の方が額が小さいんだよ?俺が渡してるのは1万ジェニー、この世界で一番額の高いお札。」



…………そんな事…………知っている…………


どうやら私はそんな事も解らない馬鹿だと思われたらしい



「知ってます!でもお札は受け取れません……!!」


「…………。」


呆れ顔で吐かれた溜息の後彼が私に手渡したのは500ジェニーの硬貨だった

たかがコーヒーを入れただけで500ジェニーも貰ってしまうのは心苦しいがこれ以上注文を付けると機嫌を損ねてしまいそうで笑顔でお礼を伝えた


それから彼は私に本を取って来させたり水を取って来させたり様々な事でお小遣いをくれた

途中から小銭が無くなったと言って肩を少し叩いただけで(三回)1000ジェニーくれたりしている


………多分…………いや、ほぼ確実に彼は今の状況が面倒なのだと思う

だからだろう、沢山用事を頼んでお小遣いを与え続け早い所私を満足させようとしているのだ




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp