第65章 お小遣い大作戦

内容はこうである

『こんにちは！お久しぶりです
突然ですが来週の何処かでお会い出来ますか？イルミさんの仕事の都合で当日突然お誘いする事になりますが、イルミさんへのプレゼントを買いについてきてもらえないでしょうか』


そしてヒソカさんは然程間を開けず


『勿論♥️』


と快い返事を返してくれた



無断外出、そして単身での外出を禁止された今、唯一外出を許されたのは友人であるヒソカさんとだけだった

センスはよく解らないが男性ならではのアドバイスも頂けるかもしれないし

何より、サプライズを成功させるにはヒソカさんの協力が絶対不可欠だ

頭を下げながら懇願する私に溜息が落とされる


「……約束を破ったら承知しないから。」


「はい！！ありがとうございます！」


頭を上げて彼へ視線を向けると見て取れる彼の表情は全く私を信用していなかった


………私に前科があるので当然だが彼の信頼をこれ以上裏切る気は決して無い

きっと貯まったお小遣いの使い道が気になっているのだろうけど後々彼にも解る事

今は悟られない事が先決だ



「早速お仕事無いですか！」


意気揚々とソファーから立ち上がった私に彼が言い渡したのはコーヒーを入れる事だった

………別にお小遣いを貰わなくても良い事柄なのだが

ここは彼が仕事に出て行く迄の期間内になんとか資金を貯めておきたい所なので仕事として彼にマグカップを手渡した


気だるげに髪をかき上げしっかりとコーヒーを受け取った彼が長財布を開く様子をじっと見ていると



手渡されたのは1万ジェニーだった


すっかり物価を理解した私に激震が走る