ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第65章 お小遣い大作戦
10月14日
「私に何か出来る事無いですか!」
「無いよ。」
「何でも良いから仕事ください!」
「…………じゃあ新聞取って来て。」
「はい!」
私は嬉々として新聞を彼に手渡し彼はそんな私に溜息交じりに硬貨を手渡した
「ありがとうございます!他に何かありませんか!」
「…………。」
何故私がこんな事をしているかというと
遡る事1時間前
カレンダーを眺めていて私は迫り来る記念日に勇み立っていた
…………もうすぐ彼の誕生日………!!
本当の所、彼自身も自らの誕生日を知らないらしく正確には初めて仕事をこなした日なのだが
その日を誕生日だと彼が言うならば祝わない手は無い
以前私は当日に祝う所か1カ月程遅れて誕生日パーティーを開いた
大好きな彼の誕生日を当日に祝え無かった事に深く後悔した私は再会したあかつきには絶対にお祝いしようと決めていたのだ
彼の仕事の都合で無理なのは仕方がないにしても以前の様に気付かぬままに通り過ぎてしまうなんて事はしたくない
…………しかし私は現金を持ち合わせていないのだ…………
これは由々しき事態
どう説得しようともアルバイトに出るのは難しいと馬鹿な私でも判断できた
そんな中で私が捻り出したのは彼に働きに応じたお小遣いを頂いて貯金しようという小学生の様な案だった
貯めたお小遣いでプレゼントとケーキを購入し、サプライズで彼を祝いたい
根本を辿れば彼の資金な訳だがそこは私の気持ちでカバーするという事にして早速交渉を始めた