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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第64章 ショッピングモールと私と彼




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その後アクセサリーショップやペットショップ、雑貨屋さんを巡り


私達は可愛いバスグッズが並んだお店に立ち寄っていた

店頭から香るバスソルトの甘い香りに誘われればお試し用のボウルからモコモコの泡が膨らんでいた


「どうぞお試しください」


なんてにこやかな店員さんに勧められて泡に手を伸ばせばしっとり肌が包まれて気持ちが良い


「イルミさん!フワフワです!イルミさんもどうぞ!」


「……………。」


興奮気味な私の勢いに押されたのか無表情のまま手を泡に埋めた彼は僅かに眉を反応させた


店員さんの説明によると保湿効果があり肌のキメを整えてくれる泡らしい


「気持ち良いしめっちゃ良い匂いですね!」


「うん。」


なんて和やかな会話を交わしていると突然泡の中で彼の指先が手の甲に触れてドキリとして言葉が詰まった


「な、何の匂いでしょう」


見えないが為にわざとではないだろうと言葉を発した時だった

彼の指先は手の甲を滑り私の指の間を撫でる様になぞり始めたのだ


「蜂蜜の匂いじゃない?」


なんて単調な声色とは裏腹に確実に意思を持ち動く指は何処か淫靡に私に触れる

じわりじわりと熱く成る頬に俯いて泡をじっと見詰め固まってしまう

そんな私をからかう様に尚も肌をなぞる彼をチラリと盗み見ると細められた瞳は悪戯に私を見据えていた


「っ…………!!!」


ドキドキと高鳴る胸をそのままに素早く泡から手を出し熱を逃がす様に洗い流す


「これひとつ頂戴。」


なんて余裕な声を聞きながらも私はずっと彼に背中を向けていた



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