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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第64章 ショッピングモールと私と彼






暫くして到着したのは想像していた様なショッピングモール……


………では無かった


本当にショッピングモールなのか疑わしい巨大な高層ビル

その地下には途方も無く広大な駐車場が広がっていて車から降りた私はキョロキョロと辺りを見渡してしまった


「………広いですね………私車まで戻って来れる気しないです………」


彼は物覚えが良いし根本的に頭の作りが違うのかもしれないとさえ思っているので平気なのだろうけど

私一人では永遠に車へたどり着け無い気がした


「沙夜子は馬鹿だから無理かもね。」


なんて単調な声に反論する言葉も出ないままにエレベーターを降りれば広がった開放的なフロアに歓声にも似た声が漏れた


広々としたフロアは沢山の観光客らしき家族連れやカップル、はたまた闘技場に出場しそうな強面人物まで様々な人々で賑わい

見上げれば途方も無く高い吹き抜けの天井ガラスから遠く空が見えた


「………凄いですね……!」


ワクワクと弾む胸で嬉々として辺りを見渡す私だが


「行くよ。」


彼はそんな私の手を引いて歩き出してしまい俯瞰から見れば私は親に連れられている子供の様だろう

此処彼処に見えるカラフルで楽し気な雰囲気の店はお土産屋さんらしく非常に後ろ髪引かれるが


「服はこの階に無い。」


なんて真っ直ぐ目的地を目指す彼に急かされるままエスカレーターでやって来た5階で私の興味は瞬時に移り変わっていた


「……何ここ……凄い……」


なんて漏らした私の目前には都市と見間違う風景が広がっていた


室内施設の筈がショッピングモールのど真ん中には優雅に運河が流れていたのだ



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