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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第64章 ショッピングモールと私と彼






10月12日



私達はショッピングに来ていた


この街にやって来て2度目の外出となるが前回と同じく車移動で、やはりと言うべきか彼の車は毎回別物に変わっている

そのアウトローぶりには慣れないが気を逸らす様に街並みを眺めた


狭い日本でも地方が変われば景色が変わる様に同じパドキアと言っても雰囲気は全く違っていた

彼の地元近くはレンガ造りの建物が多いのに比べ此方はコンクリートの建物が主流らしい

しかしながらやはり異世界

日本の其れともやはり違っていて海外に例えるなら何処だろうなんて考えるが海外旅行未経験の私には見当も付かなかった


見上げれば淡い色の空に薄く低い雲が流れる

秋の空だ


ショッピングの目的は移り変わる季節に新しい服をと彼が提案してくれたのだった


私の世界よりも寒暖差は少ない気がするが流石に半袖だと肌寒くなるらしい

殆どを室内で過ごすので然程気にならないが流石にキャミソールや半袖で秋冬を越すのは厳しいだろう

正直嬉しい提案だった



片手で緩く握られたハンドル
緩く気が抜けたように前を見据える瞳は長い睫毛が影を落とし美しい

彼の運転姿を見られただけでも部屋を出た価値があると思ってしまう

先程迄感心していた街並みよりも俄然彼を眺めてうっとりしていると


「……何。」


彼の流し目とばっちり視線が合い心臓が飛び出しそうに成った


「別に何もっ!!」


慌てて視線を街並みに移した私だが


「………あっそ。」


彼は特段気にする様子も無く言った

バクバクと騒ぐ心音を耳に煩く感じながらも考える


………私が彼を見詰める理由なんてきっと彼は解っている筈だと私は思うのだ

其れをわざわざ指摘するなんて意地悪なのでは無いだろうか……?


私は散々彼に"カッコいい"美形"なんて言葉を発してきたし彼は彼で"俺の顔好きだよね"なんて、私が彼の容姿も大変好ましい事を自覚している筈なのだ………



なんて分析しながらもチラリと彼の横顔を盗み見るが希薄な表情から感情は読み取れず

わざと意地悪をしているのか天然ボケを発揮しているのか私には解らなかった



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